奄美野生動物医学センターについて

About

ご挨拶

奄美野生動物医学センター(以下、AWMC)は、野生動物専門の獣医療機関です。これまで奄美大島での野生動物救護は、犬猫の動物病院等で実施されていましたが、感染症の観点や野生動物の治療が後回しになってしまう点から、野生動物に特化した治療研究施設が必要であると考えています。
AWMCでは、世界自然遺産に登録された奄美大島の希少な野生動物の保全事業に対して、獣医学の立場からアプローチします。国内における野生動物を対象とした獣医学は、伴侶動物や家畜と比較して大きく遅れています。野生動物分野に限らない様々な専門家の技術や知見を野生動物に応用し、医療レベルの向上を図ります。
また、AWMCでは治療過程で得られたデータを活用し、調査研究活動を展開します。原則的に野生動物を長期間収容する研究の実施は困難であり、保護治療は貴重な野生動物の学術研究の機会でもあります。研究成果を広く世界に発信し、学術的な点からも、野生動物保全に貢献します。

「獣医学の力で奄美の野生動物を救う」というスローガンのもと、治療と研究の両輪で野生動物保全に貢献する獣医療チームを目指します。

奄美野生動物医学センター
センター長 獣医師(博士) 新屋 惣

活動方針

  1. 01

    傷病野生動物の救護
    傷病野生鳥獣の保護、治療、リハビリテーションを行い、回復させ野生復帰させることを目標としています。十分に回復せず野生復帰できない場合も、野生下での行動・欲求を満たすことができる高いQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の環境下で管理します。
  2. 02

    学術研究
    治療や飼育の過程で得られるデータを収集し、大学や各研究機関と連携して、調査研究活動を展開します。研究成果は、論文や学会発表等で世界に向けて発信するほか、研究者以外の一般の方にもご理解頂ける形での研究内容の公表も実施します。
  3. 03

    教育・啓蒙
    島内外の大学・教育機関や自治体と連携し、全国の獣医学部生や島民に対して、野生動物に関する情報発信を行い、未来の野生動物を守るための人材を養成します。

紹介動画